妊娠中に歯の治療はできるの?
妊娠中も歯科治療は可能です
妊娠中に歯科治療を行う事は可能です。ただし、治療は原則安定期(妊娠5~7ヶ月)に受けましょう。安定期は通常の治療が可能で、一部の抗菌薬や鎮痛薬が使用でき、局所麻酔も使えます。
安定期以外でどうしても治療が必要な場合はかかりつけの産婦人科医と連携をして治療を行ってまいります。
当院の治療方針
妊娠時期
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初期:〜4ヶ月
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中期:5〜7ヶ月
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後期:8〜10ヶ月
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治療
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応急処置
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通常治療が可能
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応急処置
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薬
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極力使わない
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抗菌薬や鎮痛剤のうち一部を使用する
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麻酔
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極力使わない
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局所麻酔は可能
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一部の局所麻酔は避ける
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表引用:2016.9.17 朝日新聞「続・元気のひけつ」
大阪大 仲野和彦 教授
妊娠中の麻酔について
歯科の麻酔薬で妊娠中に使用し奇形が発症した例は報告がありません。ですが、器官形成期である妊娠12週までは(無影響期は除く)麻酔をしない方が賢明かもしれません。
妊娠中の投薬について
①無影響期(妊娠4週未満、排卵から2週間):胎児に後続的な影響を残さない
②絶対過敏期(妊娠4週~7週まで):奇形を伴う過敏な時期。投与には慎重を要する。
③相対過敏期(妊娠8週~15週まで):②よりは感受性が低下するが、慎重を要する。
④潜在過敏期(妊娠16週~分娩まで):胎児の臓器障害、羊水量の減少、陣痛の抑制や促進、新生児期への薬剤の残留。いわゆる胎児毒性が問題。
抗菌薬には催奇形性の報告が少ないペニシリンやセフェム系、いわゆるβ-ラクタム系のお薬を処方します。また鎮痛薬はアセトアミノフェンが安全でしょう。上記の期間に注意しつつ適切な服用方法をご指導いたします。