教えて!むぎくん!!其の漆

「第漆豚 難治性の顎関節症と向き合う」

こんにちは!

初めまして、ぼくは「むぎ」って言うとん。           

                                                            

なのはな歯科・口腔クリニックの守り神きっちょむの弟だよ。

神様見習いだけど、ぼくも歯のことは何故か詳しいとん。

お兄ちゃんのきっちょむが夏休みだから代わりに解説するとん!

7~8月はお祭りがたくさんあったね!

みどり市のお祭りには毎年なのはな歯科・口腔クリニックも協賛金を出させてもらっているよ!みんな楽しんでくれたかな?

そういえば最近、CAD/CAMブリッジとういうものが開発されたよ!

ヤマキンさんっていう会社が開発したブロックなんだけど

まぁ頑張って開発していただいたけど、残念ながらすぐには流行らないだろうなと思います。

CAD/CAMの最大の弱点は強度で、破折リスクは常に付きまといます。

しかも強度が非常に重要なブリッジにおいて、そのリスクは致命的です。

「シンボー」とやらがどこまで耐えられるか懐疑的な中で、作成する技工所も破折時の再製は“ブロック代11700円”を歯科医院が負担して下さいと契約する場合はほとんどです。

当院のお付き合いしている技工所も100%そのような対応なので、全国的にもウチが負担します!!!みたいな奇特な技工所はいないかと思います。

ぶっちゃけますと、CAD/CAMブリッジを入れて、儲けはブロック代を下回ります。

破折した瞬間赤字になる博打を誰が打つのか・・・

怖くて手は出せない・・・けど興味本位でお一人だけ作っちゃいました。

しっかり説明し、破折した場合は格安で自費のジルコニアブリッジに置き換えるお約束をして入れさせていただきました。

シンボーがハッキリ見えますが、見た目はかなりキレイです!

厚みもしっかり担保したので大丈夫かと思いますが、1年、2年使っていただいてどうかですかね?

いろいろ臨床データが揃ったら、そのうち日の目を見るんじゃないでしょうか?

うちでは多分もうやんないかな。

さて、今日は「顎関節症」について!

顎関節症は略語でTMD(Temporomandibular Disorders)っていうよ!

顎関節・TMJ(Temporomandibular Joint)の病気、DiseaseじゃなくてDisorder、障害であるってのもなんかポイントな気がするとん。

病気であれば特効薬みたいなお薬があったり、明確な治療法があるけども

この顎関節症にはそういった「これをすれば治るよ~!」っていうのが無いのが難しいところだとん!

そもそも顎関節症ってなんなんでしょ?

日本顎関節症学会が発表しているガイドラインには

顎関節や咀嚼筋の疼痛(痛み)、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする障害の包括的診断名で、その病態分類は咀嚼筋痛障害、顎関節痛障害、顎関節円板障害および変形性顎関節症である。

TMDの多くは 時間経過とともに改善、治癒していくことが示されており、 米国歯科研究学会(AADR) によるTMD治療指針では、 初期治療は病態説明と疾患教育に始まり、可逆性である 保存的治療が主体として行われるべきと示されている。

と記載されているね!

まず病態分類から解説していくと

Ⅰ型:咀嚼筋痛障害

は咀嚼筋ってお顔についてる咬むための筋肉が障害を受けている場合だね!

まぁ簡単に言っちゃえば「筋肉痛」みたいな感じだね。

Ⅱ型:関節包・靭帯障害

関節の靭帯の異常だね!それで顎関節痛を起こすんだ!

関節を含む袋や靭帯の「捻挫」みたいな感じだね。

Ⅲ型:顎関節円板障害

側頭骨と下顎骨で顎の関節を作っているんだけど、その間にある座布団みたいなのが関節円盤って言うよ!それが障害を受けてカクカク音がしたり口が開けづらくなる疾患だね!

Ⅳ型:変形性顎関節症

顎の骨自体が変形してしまって、痛みが出てしまう顎関節症。

Ⅴ型:その他

Ⅰ~Ⅳ以外だったり複合型のものを指すね!

この五つに分類されるんだ。

体感、Ⅲ型がやっぱり一番多いよね!

院長が若い時にはさらにⅢa、Ⅲbなんて区分されてたけど今はしてないのかな?

カクカク音が鳴ってるともう大体、関節円盤前方転位って言って位置がズレちゃって引っかかっている感じだね。

開けるとき引っかかった関節円盤を乗り越える時にカクッってなって、戻る時にもカクッってなる感じかな。

この治療には「下顎頭可動化訓練」っていうのがあるからそれを患者さんにやってもらう感じだね!

他の治療法をしては

・自己開口訓練

・スタビライゼーション型口腔内装置(基本的に上顎型)

・低出力レーザー

・マイオモニター(TENS療法)

・ボツリヌストキシン注射

・アムステルダム型スプリント

・パンピングマニュピレーション

・態癖指導

・矯正治療

・薬剤療法

などなど

この中で学会が薦めているのは上2つ「自己開口訓練」と「スタビライゼーション型口腔内装置」です。

スタビライゼーションってどういう意味かって言うと、車のスタビライザーとか聞いたことある人多いと思うんですが、「安定」させるための装置ですね!

基本的な考え方としてハードタイプのマウスピースを作製して、歯、全体で安定させるように咬合(全部咬合接触させる)を付与する方法なんだ。

ただ、エビデンスは「非常に弱い」なので効果はあるけど、まぁ良くわからんけど、薦めるとしたらコレ?みたいなフワッとした治療方針です。

これってガイドラインって言っていいの???

それだけ治療法が確立していなくて難しいということなんです。

学会もエビデンスを持っていないんだから、ここからは院長が長年、顎関節症の治療に携わってきて行きついた当院の治療法を勝手にご紹介しちゃうよ!

まず、顎関節症で最も大事なのは診断なんだ!

診断って言っても、これが「〇型の顎関節症です」っていう診断ではなくて

なんで?顎関節症になっちゃったの??

っていう原因を探る診断なんだ。

お口の中の状態で奥歯しか咬んでないとか、歯がベロ側に倒れ込んじゃってるとか

全体的な歯の排列のバランスだったりアーチのゆとりだったり

寝る姿勢は?時間は?枕の高さは?途中覚醒は?

お仕事は?運動はしているの?楽器を日常的に吹いてる?

好きな食べ物は?噛み癖は?普段よくしている姿勢は?

寝ているときに歯ぎしりや食いしばりはしている?

レントゲンで骨の状態はどうか、咬筋の硬さはどう?

本当にいろいろな事を多角的に捉えて診断をするんだ!

スタビライゼーション型のマウスピースのせいで悪化(圧下)することもあるし、歯ぎしりだけなら別にソフトタイプのマウスピースも全然使っていいと考えています。

何か逆に噛み癖がつくーーーー!なんて先生もいるけど、それこそエビデンスはないと思うんだよね。

ボツリヌストキシン注射も否定的な先生いるけど、対症療法としてはかなり効果的だし、良い結果も得ています。

マイオモニターは保険適用だし筋痛が強い方には安価に対症療法出来る点でも有用。

態癖指導も非常に重要で、顎関節症も生活習慣病だと思っているので、日ごろの睡眠状態や姿勢など大きく影響しています。

そこで問題点をあぶり出して改善するのも顎関節症の初期治療の大きな一歩なんだな。

ただ、明らかに原因が分かるケースもあれば分からないケースもあるし、咬合異常が原因ではないかと考えても全員に矯正治療が出来るわけもなく、顎関節症の治療は本当に難しいなと感じています。

先に出た治療法の中で当院が行っていないのは

低出力レーザーとパンピングマニュピレーションです。

低出力レーザーは持っていません。買う気もありません。

パンピングマニュピレーションは群馬大学様にお任せしております。

コレは非復位性関節円板前方転位の顎関節症の患者さんに対して、関節腔に麻酔薬や生理食塩水を注入・吸引(パンピング)して動きを良くした後、手技でズレた組織を戻す(マニピュレーション)治療法なんだ。

まぁ最終手段と思ってもらっていいと思います。

以前、口腔外科学会の市民公開講座で顎関節症についてお話していたんだけど

「別に放っておけば治るから治療しなくていいよ~(みたいに聞こえた)」

らしいんで、ついにこんな扱いになっちゃったのか顎関節症・・・って思ったけど、特効薬はなくても「治癒への道しるべ」はお伝え出来るかと思うので、顎に症状ありましたら気軽にご相談ください。

【専門用語のコーナー~よりディープな歯科の世界へ行きたいあなたへ~】

ようこそ専門用語のコーナーへ

専門的な歯科用語を余すことなく紹介していくコーナー

全部覚えるとあなたも歯科国家試験に受かるかも?!

覚えた用語をお友達に自慢するもよし、自己満足に浸るもよし。

ただ、歯医者さんで多用すると面倒な人だと思われるかもしれないので要注意。

(なのはな歯科・口腔クリニックで使うのはOK笑)

・TMJ(顎関節)

先にも述べた顎関節のこと。TMDと混同するべからず。

側頭骨の下顎窩と下顎骨の下顎頭でジョイントを形成する。

骨同士が接合しているわけではなく、関節軟骨や関節円板を介在する。

下顎骨は関節円板と協調し前方滑走することで開口をする。

🐽きっちょむくんから一言

線維性の軟骨である関節円板、こいつがうまく機能しないと顎関節症になってしまうことが多いよ!

蝶番運動だけではなく前に滑りながら開口していくので複雑な動きですよね。

左右が協調して動くのも他の関節にはない特徴で、ちょっとの不調和が痛みに変わる可能性もあるんだ!メンドクサイね!!

・アムステルダム型スプリント

スタビライゼーション型が全体的に咬合させる形態に対し、アムステルダム型は前歯部に咬合を集中させることによって臼歯を離開し、理想的な下顎位(筋肉がリラックスした状態で、下あごが本来おさまるべき「正しい位置」)へ自然に誘導する。

基本的にはスタビライゼーション型同様、就寝時に装着し、数週間~数か月のスパンで治療を行っていく。

🐽きっちょむくんから一言

特定の歯に早期接触があったり、臼歯部の圧下が著しくクリアランス(上下のスペース)が少ない時に使用するねー!

咬合の再構成は非常に困難で、ここまでやる歯医者や技工士も少ないかもね。

難治性の顎関節症に使用することがあるよ!

来月は「第捌豚 ホワイトニングの進化と審美歯科」をお送りするとん!

みどり市鹿、大きなスーパーの前にある歯医者さん。

地域の歯科医療発展のためにがんばっています!

群馬県みどり市笠懸町鹿3926-1

電話番号 0277-32-4182

医療法人miyabi なのはな歯科・口腔クリニック